ライフプラン表の作り方を解説!作成時のコツや活用法もFPがご紹介
「マイホームを購入したい」「老後をゆっくり過ごしたい」など、誰しも人生で叶えたい夢や目標を持っています。しかし自分が理想とする人生を過ごすためには、計画的にお金を準備しなければなりません。そこで、活用したいのが人生の計画を立てる設計書の「ライフプラン表」です。ライフプラン表を作成すれば、やりたいことに優先順位をつけられるほか、将来にどのくらいのお金が必要なのかを確認できます。本記事では、ライフプラン表の作り方やコツ、作成のメリットを詳しくご紹介します。ライフプラン表の活用方法もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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ライフプランとは
ライフプランとは、これから先の未来を考えて人生を設計することです。結婚・出産・マイホームの購入などの大きな費用が必要なライフイベントや、今後実現したい夢・目標を書き出し、それらに対して必要なお金の見通しをたてます。ライフプランを作成することは将来のお金の動きを確認できるだけでなく、「どんな人生を送りたいか」と自分の生き方を考えるきっかけにもなるのです。
ライフプラン表の作り方
ライフプラン表は自分が理想とする人生を送るためにも重要なものですが、具体的にどのような手順で作成すればよいのかわからないという人も多いでしょう。ライフプラン表の作り方は、以下の3ステップです。それぞれ詳しく解説するので、自分や家族の人生・家計状況を想像しながら読み進めてください。
ライフデザインを考える
まずは、自分が理想とするライフデザインを考えましょう。ライフデザインを考える際には、以下の3つを中心にこれから先どうやって生きていきたいかを書き出します。
- ・キャリア
- ・プライベート(家庭)
- ・人生で実現したい夢や目標
キャリアでは働き方や働く期間など、プライベートでは結婚時期や子どもの有無を考えます。人生で実現したい夢や目標は、「マイホームがほしい」といった大きなお金がかかるものだけでなく、「毎年家族旅行に行きたい」「3年ごとに車を買い替えたい」など短期間で実現したいものまで書いてOKです。夢や目標が複数ある場合は、優先順位をつけます。ひとまず実現できるかどうかは考えず、自分が理想とする人生を思い描いてデザインしましょう。
<ライフデザインの一例>
キャリア | <働き方> ・正社員・公務員・自営業 <働く期間> <結婚・出産後の働き方> <その他> |
プライベート(家庭) | <結婚> ・◯歳までに結婚したい ・結婚はしない <子ども> |
人生の夢や目標 | ・マイホームがほしい ・毎年家族旅行に行きたい ・3年ごとに車を乗り換えたい ・早期退職して老後生活をゆっくり過ごしたい |
ライフイベント表を作る
次に、自分と家族のライフイベントを時系列で書き出すライフイベント表を作りましょう。ライフイベントとは人生の転機ともなる大きな出来事のことで、具体的に以下のようなものが挙げられます。
- ・就職
- ・転職(独立)
- ・退職
- ・結婚
- ・出産
- ・子どもの進学
- ・マイホームの購入
- ・自動車の購入
- ・老後の生活
先ほど考えたライフデザインをもとに、今後自分や家族に発生しそうなライフイベントを書き出します。ライフイベント表を作る際には、イベントにかかる費用もおおまかに記載しておきましょう。
<ライフイベント表の一例>
西暦 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年 | 2028年 |
夫の年齢 | 33歳 | 34歳 | 35歳 | 36歳 | 37歳 |
イベント | マイホームを買いたい | ||||
妻の年齢 | 33歳 | 34歳 | 35歳 | 36歳 | 37歳 |
イベント | 毎年家族旅行に行きたい | ||||
子ども①の 年齢 |
7歳 | 8歳 | 9歳 | 10歳 | 11歳 |
イベント① | 小学校入学 | ||||
子ども②の 年齢 |
5歳 | 6歳 | 7歳 | 8歳 | 9歳 |
イベント② | 小学校入学 | ||||
かかるお金 | ・家族旅行10万円 ・小学校入学15万円 |
・家族旅行10万円 | ・家族旅行10万円 ・小学校入学15万円 ・マイホーム頭金300万円 |
・家族旅行10万円 | ・家族旅行10万円 |
将来の支出・収入・貯蓄残高を考える
続いて、将来のライフイベントに対して必要になる家計のお金の流れをまとめたキャッシュフロー表を作りましょう。キャッシュフロー表を作成することで、自分が希望するライフプランを実現可能なのか、資金がどのくらい必要なのかを確認できます。キャッシュフロー表に書くのは、支出・収入・貯蓄残高の3項目です。項目ごとにどのような内容を記載するのかご紹介します。
支出
支出として記載するのは、ライフイベントに必要な出費から日々の生活費まで以下の4項目です。
- ・ライフイベントに必要な出費
- ・生活費
- ・固定費
- ・臨時の出費
生活費は食費・水道光熱費・通信費など、固定費は家賃(住宅ローン)・保険料などが挙げられます。臨時の出費には、冠婚葬祭・医療費など突然お金が必要になるイベントが発生した場合を予想して金額を書きます。それぞれの費用を年表にして書き、合計額を計算しましょう。
<キャッシュフロー表(支出)の一例>
西暦 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年 | 2028年 |
ライフイベントに関する出費 | 15万円 | 15万円 | |||
生活費 | 240万円 | 240万円 | 240万円 | 240万円 | 240万円 |
固定費 | 150万円 | 150万円 | 150万円 | 150万円 | 150万円 |
臨時の出費 | 10万円 | 10万円 | 310万円 | 10万円 | 10万円 |
支出合計額 | 415万円 | 400万円 | 715万円 | 400万円 | 400万円 |
収入
収入には、以下の5項目を記載します。
- ・給料
- ・ボーナス
- ・退職金
- ・年金
- ・補助金(児童手当など)
夫婦それぞれに収入がある場合は、「夫の給料」「妻の給料」とわけて書くのがおすすめです。なお、ライフプランの作成では実際に使える金額で収入を計算する必要があるため、それぞれの金額は額面ではなく手取り金額を書きましょう。
<キャッシュフロー表(収入)の一例>
西暦 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年 | 2028年 |
夫の収入(給料+ボーナス) | 350万円 | 350万円 | 350万円 | 350万円 | 350万円 |
妻の収入(給料+ボーナス) | 100万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 |
補助金(児童手当) | 24万円 | 24万円 | 24万円 | 24万円 | 24万円 |
収入合計額 | 474万円 | 474万円 | 474万円 | 474万円 | 474万円 |
貯蓄残高
貯蓄残高は、ここまで書いた支出・収入より計算します。収入から支出を差し引いて出た金額が貯蓄可能額です。同様の計算を繰り返し行うことで毎年の貯蓄額がわかり、貯蓄残高の推移を確認できます。
<キャッシュフロー表(貯蓄残高)の一例>
西暦 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年 | 2028年 |
合計支出 | 415万円 | 400万円 | 715万円 | 400万円 | 400万円 |
合計収入 | 474万円 | 474万円 | 474万円 | 474万円 | 474万円 |
貯蓄可能額 | 59万円 | 74万円 | -241万円 | 74万円 | 74万円 |
貯蓄残高 (300万円の貯蓄あり) |
359万円 | 433万円 | 192万円 | 266万円 | 340万円 |
ライフプラン表を作成するときのコツ
ライフプラン表は専門的な知識を持っていない人でも作成できますが、いざ作るとなるとスムーズに書き進められない項目も出てくるでしょう。そこで今回は、ライフプラン表を作成しやすくなる5つのコツを解説します。はじめから完璧なライフプラン表を作る必要はないので、コツを参考に取り組んでみてください。
人生の目標や夢をとにかく書き出す
ライフプラン表を作るうえで、欠かせないのが人生の目標や夢を書き出すことです。自分の人生をより有意義にするためには、「何をやりたいか」「どんな風に過ごしていきたいか」など自分の考えを整理する必要があります。人生の目標や夢と聞くととても大きなことのように感じますが、ライフプラン表を作成する際には物事の大小に関係なくやりたいと思うことをとにかく書き出しましょう。実現可能かを判断するのは、作業が終わってからで問題ありません。すべて書き出した後でかかるお金や時間をもとに、ライフプラン表へ反映するかを検討します。
出費はおおまかに計算する
家族のライフイベントを整理すると将来お金がかかるおおよそのタイミングは予想できますが、正確な金額まで把握するのは難しいでしょう。ライフプラン表は定期的に見直すもののため、はじめから細かく計算する必要はありません。まずはライフイベントごとにおおまかな出費を書き出し、いつまでいくら準備しなければならないか計画を立ててください。
日頃から家計簿をつける
キャッシュフロー表の支出の項目を正確に書くと、より現実的なライフプラン表を作成できます。生活費などリアルな支出を把握するためには、日頃から家計簿をつけるのがおすすめです。家計簿に記録しておくことで日々の支出を視覚化でき、節約の意識も高まります。
FPに相談する
ライフプラン表の作成が難しいと感じる場合や自分で作ったライフプラン表の精度を向上させたい場合は、お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのもひとつの方法です。FPは金融や保険などお金に関する専門的な知識を持っており、ライフプラン表の精度アップはもちろん、資産運用や保険の見直しなどさまざまな角度から家計に対するアドバイスをしてもらえます。将来の夢や目標を実現するためにも、積極的に活用しましょう。
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定期的に見直しする
ライフプラン表は、一度作成したら終わりではありません。はじめに予想していたとおりに物事が進むとは限らないため、現時点での自分の考えや家族の状況に合わせてライフプラン表を定期的に見直しましょう。特にライフイベント発生時や働き方などに変化が生じた場合は、ライフプランを再確認するタイミングに適しています。作って満足してしまったということにならないよう、見直す習慣を身につけましょう。
ライフプラン表の作成はツールを使うと簡単
ライフプラン表はエクセルなどを使って作れますが、自分で作成すると手間がかかります。そこで便利なのが、テンプレートやシミュレーションを活用することです。
日本FP協会の公式サイトでは、ライフイベント表やキャッシュフロー表のテンプレートが公開されています。そのほかに家計の収支をチェックする収支確認表や、資産と負債を確認する家計のバランスシートなどもあり、手間をかけずに家計の状況を知りたいときに活用できます。
また全国銀行協会の公式サイトでは、ライフシミュレーションが用意されており、家族構成・収入・ライフイベントなどを入力することでライフプランの作成が可能です。おおまかなライフプランを作れる「きほんシミュレーション」と、より細かく情報入力ができる「くわしくシミュレーション」の2パターンがあるため、希望にあわせて選びましょう。
さらに、ライフプランには思いがけないライフイベントや支出、懸念事項などが数多くあり、これらを見落とすと、描いた未来が実現できない可能性もあります。それらを防ぐためにも、ファイナンシャルプランナーも利用するツールであるマネパスがおすすめです。ライフプラン表は、前述の通り、定期的な見直しが重要ですが、マネパスを使えば一度入力した情報を簡単に振り返ることができます。
見やすいデザインで使いやすく、アプリのダウンロードも不要なので手軽に始めることができます。
ライフプラン表を作成するメリット
ライフプラン表の作成には手間がかかりますが、将来に必要なお金や家計の収支バランスを把握するのに役立ちます。そこで今回は、ライフプラン表を作成するメリットを3つご紹介します。自分が理想とする人生を過ごすためにも、作成を迷っている人は参考にしてみてください。
将来に必要なお金を把握できる
ライフプラン表の作成時には、自分や家族のライフイベント・家計の収支や貯蓄状況を整理するため、将来お金がいつ必要になるのか・どのくらい準備すればよいのかを把握できます。お金がいるタイミングや金額の目安がわかれば、計画的に積み立てられるうえに、将来への不安を軽減できます。マイホームの購入や車の買い替えなど、大きな出費も実現しやすくなるでしょう。
家計の現状・問題点がみえてくる
ライフプラン表を作成すると、収入と支出の差から毎年の貯蓄可能額を割り出せます。収支のバランスがとれているかをチェックできるため、「収入に対して貯蓄可能額が少ない」「年ごとに貯蓄が減っている」といった家計の現状・問題点を早い段階で見つけられるのもメリットです。収支を見直すきっかけにもなります。
家族で将来のイメージを共有できる
ライフプラン表のもとになるキャッシュフロー表では、家計の長期的なお金の流れを把握可能です。収入・支出や貯蓄残高の変化が具体的な数値で表されているため、家族に家計の現在の状況を知らせるだけでなく、お金が必要になるタイミングなど将来へのイメージも共有できます。ライフイベントなどに備えた節約や貯蓄にも、協力して取り組みやすくなるでしょう。
ライフプラン表の活用法
ライフプラン表は、作成したら終わりではありません。ライフプラン表をうまく活用することで、家計の状況を見つめ直せるほか、夢や目標を実現するために必要なお金の準備ができます。今回はライフプラン表の活用法を4つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
働き方を考える
ライフプラン表を作成すると、目標や夢を実現するためにどのくらいのお金が必要なのかがわかります。現在の収入で十分なお金を準備できない場合は、働き方を変えるのもよい方法です。転職や独立をしてキャリアアップを目指せば、今の仕事よりも大きな収入を得られるかもしれません。仕事を変えなくとも副業をはじめれば、収入を増やせます。またフレックス勤務やテレワークなどさまざまな働き方を選択できる企業も多いため、ライフプラン表の作成をきっかけに自分に合う働き方を探してみるとよいでしょう。
節約をして支出を抑える
収入に対して貯蓄可能額が少ない場合は、支出を抑えましょう。食費などの生活費は変動しますが、光熱費や通信費などの固定費は一度の見直しで長期間費用を削減できます。家計の状況にあわせて、「契約している電力会社を切り替える」「格安SIMに乗り換える」などの節約を検討してみてください。
資産運用をはじめる
ライフイベントなど将来に備えてお金を準備する方法には、貯蓄のほかにお金を増やす資産運用があります。はじめて資産運用をする人には、投資で得られた利益が一定期間非課税になる「新NISA制度」や個人で老後の年金を準備できる「iDeCo」を活用するのがおすすめです。貯蓄と資産運用をバランスよく行い、家計に負担のない範囲の金額からはじめてみましょう。
保険の加入・見直し時期を確認できる
ライフプラン表では子どもの進学や独立するタイミングを整理できるため、新たな生命保険への加入や見直し時期を確認できます。子どもが小さい場合は万が一に備えて保障額が大きな保険に加入し、子どもが独立したら保障額を減らします。保険料は、固定費のなかでも大きな割合を占める支出です。ライフプラン表を活用し、加入している保険が家庭の状況に合っているか定期的にチェックしましょう。
まとめ
ライフプラン表は、専門的な知識がなくても自分で作成が可能です。ライフプラン表を作成することで将来に必要なお金の金額やタイミングを把握でき、準備に時間をかけられます。また家計の問題が見えるようになり、支出の節約など家族で協力しやすくなるのもメリットです。しかし正確に作成するには、家族のライフイベントを整理する・収支や貯蓄残高を計算するなど手間がかかります。より精度の高いライフプラン表を作成したい場合には、FPに相談するのがおすすめです。夢や目標を実現し自分や家族が理想とする人生を過ごすためにも、ライフプラン表を活用しましょう。
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