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結婚したら保険を見直すべき?理由と見直しのポイントを解説!

その他

結婚すると、独身と違って守るべきパートナーができます。夫婦ともに独身時代に保険に加入していたとしても、その保険は自分一人の生活費をカバーしたり、両親に葬儀費用を残したりする目的で加入したもののはずです。

結婚したあとは家族構成や収入、ライフプランが変化するため、独身時代の保険だけでは保障額が不足する可能性があります。

保障額が不足すると、せっかく毎月保険料を支払っているのに、万が一のときに追加費用が発生します。保障が不十分にならないよう、結婚を機に加入している保険を見直しましょう。

本記事では結婚を機に保険を見直すべき理由や、見直しの進め方、見直すべき生命保険の種類の例について紹介します。

監修者
監修者佐藤 拓也

全国に約800世帯、約1100名のクライアントを抱えるファイナンシャルプランナー。

家計相談や生命保険の見直し、資産運用の相談、相続・税務対策など幅広く活動し、年間200世帯以上のお客様と個別相談を行いながら、子育てにも尽力している二児のパパ。

【保有資格】
・MDRT入賞9回 ・TLC(生命保険協会認定FP) ・CFP ・IFA(証券外務員1種) ・ファイナンシャルプランニング技能士1級

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「結婚」が生命保険を見直すべきタイミングである理由

人生のなかで、保険を見直すべきタイミングはいくつかあります。その1つが「結婚するタイミング」です。これまで自分向けの保険にのみ加入してきた方が、パートナーのための保険を検討することになる重要なターニングポイントになります。

ここでは、なぜ結婚が生命保険を見直すべきタイミングなのか、その理由をご紹介します。

契約者が死亡したあとにパートナーの生活をカバーするため

独身の場合、仮に貯金がない状態で万が一のことが起きたとしても、ほかの誰かが生活に困ることはありません。

一方、結婚したあとに貯蓄が少ない状態で万が一のことがあると、配偶者が生活できなくなる可能性があります。

特に若い世代の場合、中堅・ベテランの年齢層と比較して年収が低く設定されていることが多く、貯蓄が不十分なケースが少なくありません。結婚を機に夫婦の片方が退職して専業主婦(夫)になるようなケースで大黒柱の方に万が一のことがあると、家賃や生活費を支払えないリスクが生じるでしょう。 

そこで、大黒柱の方が生命保険に加入しておくことが大切です。万が一のことが起きたときも生命保険から死亡保険金を受け取ることで、毎日の生活を続けられるようになります。

入院や手術といったトラブルによる出費に備えるため

家庭の収入を得ている大黒柱の方に起こる「万が一」は死亡だけではありません。病気やケガで長期入院して治療費や入院費がかかったり、仕事ができずに収入が激減したりする可能性もあります。

生命保険文化センターによれば、入院時の自己負担費用の平均は約20万円です。50万円以上の自己負担が必要になった方も全体の8.8%いるため、病気やケガの内容次第では高額な貯蓄が必要です。

出典:入院したときにかかる費用はどれくらい?

一方、結婚したばかりのタイミングは結婚式やハネムーン、新居への引っ越しや家具・家電の購入などで貯蓄が減ってしまう可能性が高く、入院や手術にかかるお金を捻出するのが大変です。

さらに、長期入院で仕事を休職すると収入が激減することにもなります。

貯蓄が少ない時期に入院やケガによる治療費や生活費をカバーするためにも、生命保険に加入する重要性は高いです。

老後の生活の備えを始めるため

総務省「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の毎月の生活費は268,508円(消費支出と非消費支出の合計)です。年金などの実収入は246,237円であり、毎月22,270円が不足すると試算されています。

夫婦ともに90歳まで生きると仮定した場合、30年間で8017,200円が不足する計算です。

出典:総務省統計局|家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)

余裕をもって老後生活を送るなら、普通預金や定期預金に加え、個人年金保険などの貯蓄性の高い生命保険に加入して若いときからコツコツと貯めておくのがおすすめです。

個人年金保険は加入時に決めた年齢まで保険料を支払えば、公的年金とは別の年金を得られます。また、保険料払込期間後に終身保険を解約したり、満期まで養老保険に加入したりといった方法でも、老後に備えることが可能です。

30代・40代・50代のための賢い老後資金の作り方とは?FPがポイントを徹底紹介

結婚を機に生命保険を見直す4つのステップ

「結婚を決めたから保険を見直してみたいけど、進め方が分からない…」

 このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。

 結婚する場合だけに限りませんが、保険の見直しにはセオリーになるいくつかのステップがあります。

ここでは、結婚を機に初めて生命保険を見直される方に向けて、4つのステップをご紹介します。

STEP1:夫婦の保険の加入状況を確認する

新しい保険に加入する検討を始める前に、まずは夫婦で「いま現在はどのような保険に加入しているのか」についての見直しをおこないましょう。

加入している保険について見直してみると、「会社で共済に加入していた」「親が保険に加入してくれていた」など、今まで忘れていたことを思い出せることがあります。すでに保険に加入していれば、新たに加入しなくて済むパターンもあるでしょう。

重複加入して余計な保険料を支払わないためにも、最新の加入状況については必ず確認しましょう。

ただし、すでに保険に加入していたとしても、十分な内容とはいえないケースもあるかもしれません。「保障内容に対して保険料が高すぎないか」「保障内容は夫婦の保障として十分か」といったことは確認しましょう。

STEP2:今後のライフプランに必要な保障を知る

ひとくちに「夫婦に必要な保障」といっても、2人がどのようなライフプランを計画しているかによって、必要な保障は全く異なります。

  • ・住む場所は賃貸か、マイホームを購入するのか
  • ・子どもは何人ほしいのか
  • ・子どもの進学先は高校か、国公立大学か、私立大学か など

漠然としたイメージだけでは必要な保障額は算出できないので、夫婦で徹底的に話し合うようにしましょう。

子どもの人数と住宅が賃貸か購入かだけでも決まれば、今後にどのくらいの金額が必要になるか大まかにわかるので、保障プランも立てやすくなるでしょう。

加えて、子どもがいつ大学に行くか、マイカーはいつ買い替えるかといったタイミングを考えることで「いつまでに、いくら貯めなければいけないのか」も明確になります。

STEP3:万が一の際に必要な費用を知る

例えば、死亡保障について準備する場合、家族構成に関係なく、「家族の生活費」「葬儀費用」「子どもの教育費用」をカバーできる金額を用意するのがセオリーです。

万が一の際に必要な費用は、家族構成や働き方によっても変わるので一概にはいえません。

例えば「夫婦共働き世帯」の場合、夫婦の片方に万が一のことがあって働けなくなったとしても、もう片方の収入で生活できる場合があります。

また、18歳到達年度の末日までの子がいる世帯では、遺族は795,000円と子どもの人数に合わせた加算額を加えた遺族基礎年金を受け取れます。子どもが1人の世帯の場合、795,000円に228,700円を足した1023,700円が毎年受け取れる金額です、

これに加えて、会社員が亡くなった場合は、遺族厚生年金を受け取ることも可能です。

死亡保障額を検討する場合は、万が一の際にどのような公的給付を受け取れるのかを確認し、生活に不足する金額を保険でカバーできるシミュレーションをすることが大切です。

STEP42人の家計に見合う保険料で保険を組み立てる

保険を見直す際は、加入する保険の保障内容と保険料のバランスを考えることが大切です。

保障を手厚くするほうが万が一の際に多くの保険金や給付金を受け取れるので安心です。しかし、保険料を支払うことに一生懸命になってしまって、肝心の「子どもの教育資金」や「住宅購入資金」などが貯められなくなってしまうのは本末転倒です。

もちろん、ライフプランを達成することばかり考えて不十分な保障内容で済ませてしまうのも良くありません。万が一のことがあって収入が途絶えてしまうと、ライフプランの実現が難しくなってしまうでしょう。

結婚を機に保険を見直す際は、将来のライフプランの達成のための貯金をしつつ、万が一の入院や手術などのトラブルにも備えられる保障をバランスよく用意しましょう。

結婚して見直すべき4つの生命保険

結婚したあとの生活が独身時代と大きく異なるのは、「自分に万が一のことがあるとパートナーの生活に影響する」ということです。

 結婚を機に想定する「万が一」には、亡くなってしまう場合だけでなく、長期入院や手術、長期の休職などがあります。見直すべき保険は1つではなく、複数の保険を一気に見直す必要があるでしょう。

ここでは、結婚を機に加入や見直しを検討したい保険の種類をご紹介します。

死亡保障(定期保険、終身保険)

独身のときと違い、夫婦の片方が亡くなるともう片方が生活できなくなるリスクがあります。

万が一1人が亡くなってもパートナーに死亡保険金が支払われるようにするための保険が「死亡保険」です。

ひとくちに死亡保険といっても以下のような種類があり、それぞれ特徴や向いている家庭が異なります。

死亡保険の名称 特徴
定期保険 ・一定期間の死亡を保障する保険
・掛け捨ての保険であり、満期保険金や解約返戻金はない
・期間が決まっている掛け捨て保険であり、終身保険よりも割安な保険料設定
終身保険 ・保障が一生涯継続する死亡保険
・途中で解約すると解約返戻金を受け取れる
・貯蓄性がある分、保険料は定期保険よりも割高

終身保険は加入時の保険料が生涯続くため、若いときに加入するほど保険料負担が小さくなります。

ただし、契約して間もないタイミングで解約しても、解約返戻金の金額はごくわずか、あるいは受け取れない場合もあるため注意が必要です。

入院・通院・手術の保障(医療保険、がん保険)

死亡保障だけでなく、収入を得ている大黒柱の人が病気になったりケガをしたりして入院した場合の保障も必要です。

健康保険によって自己負担は3割以下に抑えられるものの、3割の医療費に加えて、食事代や交通費、個室の費用などは自己負担になります。

その不足分を、医療保険でまかなうことができるでしょう。

また、「がんと診断された際にまとまった金額の診断給付金を受け取れる」「抗がん剤・放射線治療などの保障も用意されている」など、がんに特化した「がん保険」もあります。

働けないリスクに備える保険(就業不能保険、所得補償保険)

病気やケガによる入院だけでなく、退院後も長期的に働けなくなるリスクについても考えておく必要があります。

入院・在宅療養の生活費をまかなう保険が「就業不能保険」です。

会社員や公務員が働けなくなると健康保険の「傷病手当金」を受け取れますが、収入の3分の2相当しか受け取れません。期間も最長16ヶ月と、長期療養では不安が残ります。

また、自営業が加入する国民健康保険では傷病手当金が給付されないので、働けなくなった場合の保障は自分で用意する必要があります。

就業不能保険に加入していれば、もし働けない状態になったとしても毎月決まった給付金を受け取れるので、生活費に対する不安を軽減できるでしょう。

6070歳までの長期間カバーできる就業不能保険のほかに、働けなくなってから12年の短期間の収入減少をカバーできる「所得補償保険」もあります。

老後の生活費に備える保険(個人年金保険)

生命保険は万が一のときに保障してもらえる死亡保険や医療保険だけでなく、老後のための年金を自分で作るタイプの保険もあります。

代表的な保険が「個人年金保険」です。契約時に定めた年齢まで保険料を支払うことで保険料に応じた金額を受け取ることができ、公的年金の不足をカバーできます。

一定の条件を満たすことで「一般生命保険料控除」とは別枠の「個人年金保険料控除」が適用される点もメリットです。死亡保障と個人年金保険に加入することで、毎年の所得税と住民税を効率的に軽減できます。

生命保険料控除活用ポイントとは?FPが分かりやすく解説!

結婚時に見直して終わりではない!保険を見直すタイミングとは

結婚したときに加入したり、見直したりして安心してしまうかもしれませんが、保険の加入や見直しのタイミングは一度きりではありません。

結婚後に訪れるライフイベントに応じて、保険も柔軟な見直しが必要です。

ここでは、結婚以外に保険を見直すべきライフイベントの種類や特徴を紹介します。

家を建てたとき

結婚したあと、子どもが生まれる前後のタイミングでマンションや一戸建てを購入する家庭も少なくありません。住宅ローンを組んで自宅を購入した場合、死亡保障を見直すチャンスです。

住宅ローンの団体信用生命保険に加入することで、契約者に万が一のことがあった場合は住宅ローンの残額が0円になります。

賃貸に住んでいたときに、「大黒柱に万が一のことがあった場合に家賃を支払えるように」と契約した死亡保険があれば、保険金額を見直すことが可能です。保険金額を引き下げれば毎月の保険料を減らし、子どもの教育費用や貯金に回すことができます。

子どもが生まれたとき

子どもが誕生したときは、両親が加入している死亡保険や生存保険を見直すタイミングです。

子どもの養育費や教育費をカバーする必要性が生じるため、両親が加入している生命保険の保障額の増額が必要になるかもしれません。

また、教育費用を効率的に貯める保険として、学資保険への加入も検討することになるでしょう。学資保険によっては定期預金よりも効率的にお金を貯められるだけでなく、契約者が亡くなった場合は残りの保険料支払いが免除される特約も付帯できます。親に万が一のことがあっても、子どもに確実に大学の費用を残すことが可能です。

さらに、子ども自身が病気になったりケガをしたりして入院や通院をするリスクもあり、子ども向けの医療保険への加入も検討が必要でしょう。

働き方が変わったとき

両親の働き方が変わったとき、生命保険の見直しが必要です。

例えば、転職をして年収が上がった場合や、専業主婦(夫)だったパートナーが働くことになった場合、これまでよりも世帯収入が増えることになります。貯蓄額を増やせることで、必要保障額を安くできるかもしれません。

逆に、これまで共働きだったものが、妊娠や出産を機にパートナーが専業主婦(夫)になるパターンもあります。この場合は世帯収入が減るうえに子どもに対する保障額が不足しないように見直しが必要になるでしょう。

他にも、「会社員を退職して自営業として独立した」というケースも、保険の見直しが必要です。

自営業は会社員よりも収入が不安定になりやすく、国民健康保険には傷病手当金もありません。万が一の病気やケガで働けなくなるリスクを考慮して、就業不能保険への加入を検討する必要性は高いです。

結婚を機に生命保険を見直す際の注意点

結婚を機に生命保険を見直す場合、「新しく保険に加入する」「不要と判断した保険を解約する」というケース以外に、独身時代から加入している保険に継続して加入するケースもあります。

結婚したあとは姓や住所などの状況が変わることもあり、以下の注意点について手続きを進めておきましょう。

氏名や住所の変更手続きをする

結婚した場合、自分の姓が変更になる可能性があります。特に女性の方が男性の姓に合わせることが多いので、女性の方は結婚後に、保険会社や代理店に連絡をして姓の変更を報告しましょう。

店舗に出向いての手続きができるほか、保険会社によっては公式Webサイトから変更手続きが可能な場合もあります。

また、結婚して新居に引っ越して住所が変わったり、スマートフォンを一新して電話番号が変わったりといった可能性もあるでしょう。

姓だけでなく、住所や電話番号に変更があった場合も保険会社に変更の届出が必要です。

受取人を最新の状態に変更する

結婚前と結婚後で、受取人を変更したほうが良いケースもあります。

結婚前の死亡保険の受取人は両親や自分の兄弟を指定しているケースが一般的です。特に指定せずに法定相続人が受取人になっているケースもあるかもしれません。

結婚後も独身時代から加入している生命保険があれば、受取人は配偶者に変更しておくことが必要です。

受取人の変更手続きは書面で進めるのが一般的であるため、受取人の変更の必要性が生じた際は保険会社や代理店に連絡しましょう。

家庭の状況によっても必要な保険は変わる!FPに相談しよう

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両親の働き方や子どもの有無で、必要な保障は全く異なるのはすでに解説したとおりです。

ここでは本記事のおさらいとして「片働きで子どもがいない」「共働きで子どもがいる」という2パターンで、見直しが必要な保険の例を見ていきましょう。

<片働き・子どもがいない>
婦のどちらかが収入を得ている家庭の場合、大黒柱の身に万が一のことがあると、収入が途絶えてパートナーが生活できなくなります。また、入院やケガで長期入院するリスクも大きく、大黒柱の病気やケガ、死亡に対する保障を充実させることが必要です。
医療保険・がん保険・就業不能保険・収入保障保険などについて、加入の検討や見直しが必要でしょう。

<共働き・子どもがいる>
共働きの場合、夫婦の片方が働けなくなっても、もう片方の収入で生活を継続できる可能性もあります。一方で、子ども自身のケガや病気、将来の学費に対する備えも併せて検討する必要があります。
子ども向けの保険として「学資保険」「子どもの医療保険」への追加加入を検討することに加え、死亡保険については共働きであることも加味して保険金額の見直しが必要でしょう。

ただ、家庭ごとにライフプランや収入の現状が全く異なるので、一概にどの保険が最適解かが分からないケースも少なくありません。自分で考えることが難しい場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。

まとめ

夫婦が結婚したあとは独身時代から加入していた保険だけでは保障が不足するケースも多く、生命保険の見直しが必要になるのが一般的です。

ただ、ひとくちに生命保険といってもさまざまな種類があるため、どの保険を選べば良いのか分からないと不安になる方も少なくありません。必要な保障額は家族構成や年収、ライフプランによっても異なります。

ご自身での見直しに不安がある場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談をおすすめします。保険だけでなく、結婚後のお金の不安について総合的にアドバイスを受けられます。

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