資産運用の種類・特徴を徹底解説!初心者におすすめの運用方法とは?
資産運用の重要性が高まる現在において、「資産運用に挑戦したい」「老後に向けてコツコツ投資を始めたい」と考える方は少なくないでしょう。
しかし、資産運用にはさまざまな種類があり、初心者の方はどんな方法を選んだら良いかわからずに悩んでしまうかもしれません。
今回の記事では、代表的な資産運用について特徴やメリット・デメリットを詳しく解説しつつ、投資初心者が資産運用を成功させるためのコツについても紹介していきます。
加えて、「あまりリスクを取りたくない」「多少のリスクは構わないが安定的にリターンを狙いたい」など、資産運用に対する考え方に合わせたおすすめの資産運用方法を解説します。
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代表的な資産運用の種類
まずは、代表的な資産運用の種類とその特徴について確認していきましょう。
ここでは、以下の8つの投資方法について、特徴やメリット・デメリットを解説します。
- ・預貯金
- ・外貨預金
- ・貯蓄型保険
- ・株式
- ・債券
- ・投資信託
- ・不動産投資
- ・コモディティ投資
預貯金
銀行などの預金口座にお金を預けることも、資産運用の方法の一つです。
銀行口座を開いてお金を預けるだけで始められるため、誰でも簡単に始めやすいという特徴があります。
元本の安全性が極めて高く、お金が必要なタイミングでいつでも引き出せるという点がメリットです。
資金の流動性を重視したい方にとっては、お金の預け先として最も選びやすいでしょう。
ただし、日本の預金金利はまだまだ低く、お金を銀行に預けていてもそれほど利息収入を得られません。
また、預貯金にはインフレリスクもあります。インフレリスクとは、物価が上昇することで相対的にお金の価値が目減りしてしまうことです。
外貨預金
外貨預金は、米ドルやユーロ、豪ドルなどの海外通貨で行う預金のことです。
日本円で行う預金と同じく、仕組みがシンプルで分かりやすいため、投資経験がそれほどない人でも簡単に始められるでしょう。
日本よりも金利が高い通貨で預金を行うと、その分多くの利息収入を得られるというメリットがあります。
ただし、為替の動向によっては、日本円換算した時に為替差益や為替差損が生じる点に注意が必要です。
例えば、1ドル=150円のときに外貨預金を始めたとします。円安が進んで、1ドル=160円の時に外貨預金を解約して円に戻すと、1ドルあたり10円を為替差益として受け取れます。
一方、円高が進んで、1ドル=140円になったタイミングで外貨預金を円に戻すと、1ドルあたり10円の為替差損が生じます。
為替の動きは予測しにくく、預けるタイミングや引き出すタイミングによっては、利息収入以上の為替差損が発生するリスクもあるため注意しましょう。
貯蓄型保険
保険商品を資産運用に活用することもできます。貯蓄性を持つ保険のことを「貯蓄型保険」と呼び、終身保険や養老保険、学資保険、個人年金保険などが当てはまります。
例えば、終身保険の場合は、死亡や高度障害といった万一のリスクに一生涯備えられる保険です。保険を解約するタイミングによっては、払い込んだ保険料よりも多くの解約返戻金を受け取れるため、将来に向けて資産を蓄える役割も持ちます。
また、教育資金を準備するための「学資保険」や、将来の老後資金をカバーするための「個人年金保険」など、資産運用の目的に応じて保険商品を選べるのも特徴です。
貯蓄型保険のデメリットとしては、保険契約をすぐに解約してしまうと、解約返戻金が元本割れしてしまいやすいことが挙げられます。
また、保険会社の倒産によるリスクや、円建てでの運用は利率が低いことなどにも注意しましょう。
株式
株式投資は、企業が発行する株式を購入し、配当や値上がり益を得る資産運用方法です。
購入する銘柄によっては購入時より大きく株価が上がるものもあり、大きなリターンが期待できる可能性があります。
株主配当や株主優待を実施している企業の株式を購入すれば、保有期間に応じて配当や自社商品などを受け取れる場合もあります。
価格が上がる銘柄を探したりタイミングを見計らって売買したりするには専門的な知識が必要となるため、ある程度上級者向けの投資方法と言えるでしょう。
購入した銘柄の業績や相場の動向によっては、購入時より株価が下がることによって大きな損失が生じるリスクもある点に注意しましょう。
株式投資を始める際は、証券会社に口座を開設したうえで、証券取引所を介して売買します。
債券
債券投資は、国や地方自治体、企業などが発行する債券を購入して、あらかじめ決められた利息収入を得る資産運用方法です。
利率や償還期限が決まっているため、運用によって得られる利益が前もって計算できるという特徴があります。
例えば、満期が3年で利率が2%の債券を100万円購入して満期まで保有した場合、得られる税引き前利息は100万円×2%×3年=6万円となります。
定期預金と似た仕組みで、手堅く運用できる点がメリットと言えるでしょう。
ただし、債券の保有期間中に発行体である国や企業が破綻したり、債券を途中売却したりすると、元本割れのリスクがあります。
投資信託
投資信託は、株式や債券などのさまざまな金融商品をパッケージ化した金融商品で、少額から複数の投資対象に分散投資が可能です。
運用のプロで会うファンドマネージャーに実際の運用を任せられるため、自分で銘柄を入れ替えたり相場をチェックして売買したりする手間が省けるというメリットがあります。
投資信託は、インデックス型とアクティブ型の2種類に分けられます。
インデックス型は、日経平均株価やS&P500指数のような「指数」に連動した投資成果を目指す投資信託です。指数の採用銘柄を機械的に買って運用するため、運用コストとなる信託報酬は比較的小さいのが特徴です。
一方、アクティブ型は、指数を上回るパフォーマンスを目指す投資信託で、より大きなリターンを狙って、プロが分析を行いながら運用します。プロの戦略を用いて運用する分、インデックス型に比べると信託報酬は高い傾向があります。
投資信託はさまざまな銘柄に分散して投資ができるため、初心者でもリスクを抑えて投資しやすい投資方法ですが、元本が保障される金融商品ではありません。
相場の状況や運用成績によっては、元本割れのリスクもあるため注意しましょう。
不動産投資
不動産投資は、アパートやマンションなどの不動産を購入して、第三者に貸し出すことで家賃収入を得る資産運用方法です。
実際に物件を購入する方法のほか、REIT(不動産投資信託)という金融商品の形で間接的に不動産に投資をする方法もあります。REITとは、投資法人が投資家から資金を集めて不動産を運用し、そこから得られた利益を投資家に分配するという仕組みの金融商品です。
REITに投資する場合は、一般的な投資信託を購入する場合と同じように、証券会社を通じてREITを購入します。実物不動産を購入するためには、巨額の資金が必要になる場合もありますが、REITであれば数万円程度の少額からでも投資が可能です。
また、現物不動産への投資を個人で行う場合は、マンションやアパートなどの居住用物件がメインとなりますが、REITであればホテルやショッピングモール、オフィスビルなど個人では投資できない大型物件にも投資できます。
どちらの場合も、不動産への投資であるという点は同じなので、空室リスクや災害リスク、管理コストなどに注意する必要があります。
コモディティ投資
コモディティ投資は、金やプラチナなどの貴金属、トウモロコシや大豆などの農作物、原油などのエネルギーといった「コモディティ(商品)」に投資する資産運用方法です。
個人で投資するなら、現物を保有するのではなく商品価格に連動する投資信託などを通じて投資するのが一般的です。
株式や債券などの伝統的な金融資産とは値動きが異なりやすいため、資産分散効果を得やすい、インフレに強いといったメリットがあります。
ただし、天候や政治情勢など相場に与える変動要因がさまざまであり、値動きを予測するのは難しいため、上級者向けの投資方法と言えるでしょう。
初心者が資産運用を成功させるポイント
初心者が資産運用を成功させるためには、気をつけたいポイントがいくつかあります。
特に、以下のポイントは資産運用を始める前に注意しましょう。
- 1.長期・積立・分散投資を意識する
- 2.運用コストに注意する
- 3.NISAやiDeCoを活用する
- 4.リスク・リターンのバランスを取る
1.長期・積立・分散投資を意識する
資産運用においては、まずは「長期」「積立」「分散」の3つを押さえておきましょう。
長期投資は、じっくりと長い期間金融商品を保有し続ける投資方法です。株式や投資信託のように短期的に価格が変動しやすい金融商品も、長期間保有することでリターンの振れ幅が小さくなり、着実に収益を得やすくなります。
積立投資は、自分の決めたタイミング・金額で定期的にコツコツ金融商品を購入する方法です。1回にまとめて購入するのではなく複数回に分けて購入することで、購入単価を平均化して価格変動リスクを低減しやすくなります。
分散投資は、購入する金融商品の種類や地域、時間を分散する投資方法です。投資対象やタイミングを分散することでリスクも分散されるため、安定したリターンが期待できます。
2.運用コストに注意する
資産運用を始める際は、リスク・リターンに加えて、運用コストも重要です。
株式であれば購入や売却の際に証券会社に支払う売買手数料、投資信託であれば販売会社に支払う購入時手数料や運用会社に支払う信託報酬、外貨建て商品であれば円と外貨との交換に必要な為替手数料、といったように投資する商品によってかかるコストが異なってきます。
仮に、年間の運用コストが1%だった場合、5%の利回りで運用できたとしても、結果的に手元に残るのは4%分の収益となります。
あまりにも運用コストが高いと、投資妙味が薄れてしまうため注意が必要です。
過去の運用パフォーマンスとともに運用コストも合わせてチェックして、実際手元に残るリターンについてシミュレーションしてみるのも大事でしょう。
3.NISAやiDeCoを活用する
投資初心者の場合は、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)といった非課税制度をうまく活用するのもおすすめです。
NISAやiDeCoは、どちらも投資から生まれる運用益や配当にかかる税金(20.315%)を非課税として運用できる制度です。
NISAは運用商品の自由度が高く、運用資金の使い勝手が良いというメリットがあります。2024年から始まる新NISAでは、非課税期間の恒久化や非課税枠の拡大などさらに利用者にとって使いやすくなる予定です。
iDeCoは、掛金や運用資金が所得控除の対象となるなど、節税効果が高いというメリットを持ちます。
投資初心者の場合は、つみたてNISA(新NISAのつみたて投資枠)やiDeCoでコツコツと積立投資を行うのがおすすめです。
4.リスク・リターンのバランスを取る
資産運用においての「リスク」とは不確実性や値動きの幅のことで、これに対して「リターン」は運用によって得られる収益のことを指します。
リスク=損失、危険など捉えられることが多いですが、必ずしもそうではありません。良くも悪くも大きく価格が動きやすい商品は「リスクが大きい、高い」と言えるでしょう。
リスクとリターンは比例するため、リスクを小さく抑えようと思うとリターンも小さくなり、大きなリターンを狙うとリスクも高くなります。そのため、「ローリスク・ハイリターン」のような都合の良い金融商品は存在しません。
金融商品や投資スタイルによってリスク・リターンの度合いはさまざまなので、それぞれの金融商品の特徴をよく理解した上で、自分に適した投資先や投資方法を選ぶのが重要です。
タイプ別おすすめ資産運用方法
最後に、タイプや投資ニーズ別におすすめ資産運用方法を解説します。
ここでは、以下の3つのタイプについて紹介していきます。
- 1.なるべくリスクを抑えて運用したい人(ローリスク・ローリターン)
- 2.老後に向けてバランスよく運用したい人(ミドルリスク・ミドルリターン)
- 3.リスクをとってリターンを狙いたい人(ハイリスク・ハイリターン)
1.なるべくリスクを抑えて運用したい人(ローリスク・ローリターン)
「投資のリスクはなるべく抑えたい」「損したくない」と考える方は、リスクが低い運用方法がおすすめです。
預貯金や円建ての債券、貯蓄型保険などのリスクは限定的なので、元本割れの可能性は高くないでしょう。
ただし、こうした金融商品はローリスクな分リターンも小さいのが特徴です。「減らしたくない」というニーズには応えられますが、将来に向けて資産を増やしていくという効果はそれほど期待できません。
また、同じ預金や債券、保険であっても、外貨建て商品には為替リスクが存在します。外貨ベースで元本確保の商品であっても、円換算すると元本割れしてしまった、というケースもあるため注意しましょう。
2.老後に向けてバランスよく運用したい人(ミドルリスク・ミドルリターン)
「多少のリスクはとりつつ安定的に資産を増やしたい」と考える方は、ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用方法を選びましょう。
特に、老後に向けて長期間運用する前提であれば、NISAやiDeCoなどの少額投資非課税制度を活用して株式・ETFや投資信託などの複数の銘柄に分散投資するのをおすすめします。
仮に、短期的に相場の状況によって資産がマイナスになることがあっても、投資期間が長くなるにつれて収益率は安定しやすくなります。
さらに、長期投資をしながら運用で得た利益を元本に加えて再投資することで複利効果が働くため、収益面でも効果的です。
老後資産を蓄えるためにバランスよく運用するなら、分散投資を心がけつつ、じっくりと長期投資を実践しましょう。
3.リスクをとってリターンを狙いたい人(ハイリスク・ハイリターン)
「大きなリターンを狙いたい」「リスクはある程度高くても構わない」という方は、個別株投資や不動産投資も適しています。
株式や不動産は、投資する銘柄や物件によってリターンが異なりやすいため、しっかりと分析して投資先を選べば、高い収益率も期待できます。
また、投資の上級者の方は、コモディティ投資やFX、仮想通貨投資なども選択肢に入るかもしれません。
あまりにも短期的に利益を狙う取引は「投資」というよりも「投機」に近い場合もありますが、しっかりとリスクを理解した上で、余剰資金で取引するのであれば問題ないでしょう。
こうしたハイリスク・ハイリターンな金融商品は、運用がうまくいくと大きなリターンが期待できますが、相場の急変動などによって大きな損失が生じるリスクもある点に注意が必要です。
まとめ
資産運用には、株式や投資信託などさまざまな種類があります。まずは、それぞれの仕組みやリスクをよく理解した上で、自分に合った運用方法を選ぶのが重要です。
老後に向けてコツコツ資産形成を図りたいという方は、ぜひ「長期・積立・分散」投資を意識して、少額からでも投資を始めてみましょう。
自分に合った資産運用方法をもっと詳しく知りたいという場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するのもおすすめです。
お金のプロとして、客観的な目線に沿ってアドバイスをくれ、将来に向けた資産形成のサポートを行ってくれます。
これから資産運用を始めたいと考えている方は、ぜひファイナンシャルプランナーへの相談も選択肢に入れてみましょう。
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