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「結婚式」と「新婚旅行」が多くかかる
結婚式は大きく分けて「婚約」「結納(両家食事会)」「結婚式」「新婚旅行(ハネムーン)」という順番で進んでいきます。
株式会社リクルートが提供している「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ(首都圏)」によれば、それぞれかかる費用の平均額は以下のとおりです。
平均費用
そのなかでも、特に大きな費用が「結婚式」「新婚旅行」の2つです。
結婚式・新婚旅行の総額 約356万円
同資料によれば、「挙式、披露宴・ウエディングパーティー総額の平均は356.3万円でした。
前年調査から9万円回復しており、新型コロナ禍の前の2020年調査比では、93.1%まで回復しています。
新型コロナウイルスが蔓延しているなかで結婚式がうまく開催できずに規模が縮小していたものが、昨今の規制緩和を受けて再びコロナ禍前の規模で結婚式をする家庭が増えたものと予想できます。
もう1つの大きな出費が発生する項目である「新婚旅行(ハネムーン)」については、お土産代を除く2人分の旅行費用が53.4万円、お土産代が5.4万円でした。
旅行代金は2022年の平均33.9万円から平均20万円近い大幅な回復を見せています。
ただし、これはあくまでも平均的な話です。実際は結婚式の規模や場所選び、新婚旅行の計画が予算に大きく影響します。
結婚費用のための貯金総額 約367万円
結婚式をおこなうのに、ウエディングパーティーを含んで約356万円の費用がかかると聞くと「そんな大金は集められない…」と不安になってしまった方もいるかもしれません。
ただ、結婚式は「ご祝儀」、や「両親からの援助金」が集まるケースもあるので、必ずしも費用の全額を夫婦で揃える必要はありません。
結婚式費用の貯金について考える際は、ご祝儀や両家からの補助金を差し引いた「結婚式の総額-ご祝儀や援助などのもらえるお金=ふたりの貯金すべき額」で考えると良いでしょう。
「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ(首都圏)」によれば、結婚費用(結納、挙式、披露宴、ウエディングパーティー、二次会、新婚旅行)のために夫婦で貯金していた金額の平均は366.7円でした。前年(2022年)の調査では336.6万円だったため、一気に30万円も夫婦の貯金額が増えたことが伺えます。
一方、同資料によれば結婚費用に対する親・親族からの援助金の総額は200.0万円でした。2022年の調査の193.2万円から6.8万円の増額であり、2017年調査からの7年で2番目に高い水準になっています。
ご祝儀の平均額は199.7万円でした。披露宴やウエディングパーティーへの招待人数の平均が49.8人であり、1人あたり約4万円で祝儀額を計算すると良さそうです。
ただし、親や親族からの援助は家庭や一族の慣習によって変わり、ご祝儀も何人をウエディングパーティーに招待するのかによって変わります。
ご自身の家族からいくらの援助を受けられるか、何人を招待していくらのご祝儀が集まりそうかを事前にイメージしたうえで、貯金するべき金額を計算して結婚式準備を進めましょう。
参考までに「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ」によれば、披露宴やウエディングパーティーにおけるカップルの自己負担額は153.7万円でした、2022年調査の147.3万円から6.4万円増加していますが、2017年からの7年間では142.8万円~154.6万円のあいだで推移しており、そこまで大きな金額の変化が見られません。
自己資金で150万円というのが、結婚式を開催するうえで1つの指標になるでしょう。
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「引っ越し」と「日常生活費の家計管理」の大切さ
結婚後に共同生活を進めるにあたり、2人で住める新居への引っ越しがまず発生します。加えて、日常生活を送るための費用や家計管理について考えることも必要です。
2人で共同生活を始めるために必要なお金について、どんな注意点があるか見ていきましょう。
引っ越し費用の相場は繁忙期と通常期で大きく変わる
引っ越しの際にかかる費用は、荷物の量や、繁忙期(2~4月)か通常期(5~1月)で大きく変わります。
別々の賃貸物件で1人暮らしをしていた2人が1つの賃貸物件に引っ越す場合、単純に「1人の引っ越し費用×2人分」がかかることになります。
夫婦2人の日常生活費用は約288,000円
引っ越しの際にかかる費用は、荷物の量や、繁忙期(2~4月)か通常期(5~1月)で大きく変わります。
別々の賃貸物件で1人暮らしをしていた2人が1つの賃貸物件に引っ越す場合、単純に「1人の引っ越し費用×2人分」がかかることになります。
毎月の消費支出の内訳をみると、共働き世帯の平均生活費は287,982円でした(非消費支出は含まず)。
住居費や光熱・水道費といった毎月ある程度変わらず発生する「固定費」と、食費や被服費、教養娯楽費など流動的な「変動費」に分かれています。
ただ、固定費もこの先ずっと同じではなく、子どもの人数や車の購入・買い替えなどのライフスタイルの変化によって金額も流動的になる場合があります。
なお、今回のデータでは住居費が24,715円とかなり低い水準です。これは住居費に住宅ローンが含まれないためと考えられます。家賃や住宅ローンの金額によっては、毎月の支出額はもう少し大きな金額になるでしょう。
家賃や住宅ローンは「収入の3割程度」に収めるのが一般的な目安とされています。
家計管理
結婚した夫婦が両方働く「共働き」の場合、お金の管理は2人で行うパターンが多いです。誰がどのお金を管理するかについてはいくつかの方法がありますが、ここでは共働き夫婦の家計管理の代表的な方法として3つご紹介します。
・2人のお金を1つにまとめ、2人ともお小遣い制にする方法
・夫婦どちらかの収入を貯蓄、どちらかを生活費に回す方法
・互いに毎月定額を「共同口座」に入れて管理する方法
1つめは、全ての収入を1つの口座にまとめ、毎月の生活費やお小遣いを捻出する方法です。残ったお金で生活費を計算し、さらに残ったお金を貯金に回すことになります。収入と支出の全てを2人で管理するのでお金がとても貯まりやすく、小遣い制度なので無駄遣いも発生しにくいです。
2つめは、2人の収入のうち、1人目を生活費に、もう1人目を貯蓄に回す方法です。妻は妊娠や出産で仕事をセーブする時期が訪れることから、一般的には夫が生活費担当、妻が貯金担当になります。
最後は、「お互いの収入のうち7割を共同口座に入れる」といったルールを作成したうえで、入金したお金の範囲内で生活費をやりくりする方法です。ルールで決めた以外の範囲については、自分達が自由に使えるお金として財布に残せます。
ただ、2人の収入に大きな差異があると入金するべきお金や残せるお金の金額に差が出てしまいます。夫婦の収入レベルに大きな差がないときに利用しやすい方法です。
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老後まで見据えた「貯蓄」や「投資」
総務省家計調査の結果から、世帯主の年齢階級別に貯蓄率を調べたところ、以下のようになりました。
60~69歳を除き、全ての世帯で貯蓄率は30%を超えています。とくに20~30代の若い夫婦に関しては、子どもの教育費用にお金がかからないこともあって、貯蓄に回せるお金が多い傾向にあります。
とはいえ、上記はあくまでも平均であり、収入のうちいくらを貯蓄に回せるかは家庭によって異なります。あまり将来に向けての貯蓄ができていないご家庭は、まず「収入の10%」を目標にすると良いでしょう。慣れてくれば少しずつ貯蓄率を上げ、20~30%の貯蓄を目指しましょう。
貯蓄を始めるときのポイントは少しでも早い時期から積立を始めることです。目標金額が同じであれば、早く始めるほど月々の負担額が小さくて済みます。
また、普通預金よりも高い利回りを実現できる資産運用を始めて、「貯めながら増やす」というのも重要なポイントです。
例えば25歳から毎月3万円を積み立て続けたとき、年利によってリターンは以下のように異なります。
【利回りによる金額の違い(25歳から毎月3万円を積み立てた場合)】
効率の良い資産形成を応援する商品としては、NISA(ニーサ)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などさまざまなものがあります。
結婚を機にどのような場面でお金がかかるのか、結婚から老後までの長い期間にわたってのお金の準備の方法はどうすれば良いのか、このようなことでお悩みの方はファイナンシャルプランナー(FP)への相談がおすすめです。
結婚に向けて貯めておくべきお金や結婚後の万が一に備えた保険、将来の老後生活まで見据えた資産形成まで、総合的に家計の見直しをサポートしてくれるでしょう。
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